突然ですが、
仮に県庁の論文がこのテーマだったとして、あなたは解答できますか?
市役所受験生に向けて、もう1つ提示してみましょう。
先ほどの課題と比べて、どうでしょうか?
どちらも難しい問題のように感じていることと思いますが、どちらも論文試験本番に出題されてもおかしくない課題です。
なぜなら、どちらのテーマも今、実際に地域で問題となっていることだからです。
厳しいようですが、自信をもって「解答できます」といえないようであれば、今すぐに対策が必要です。
今回ご紹介するのは、論文に自信のない人でも安定して高得点を出せる対策方法です。
県庁・市役所の上位合格者の勉強方法をもとにしていますので、この方法を参考にしていただければ、どんな課題が出題されても十分な結果を出せるはずです。
ちなみに、下記の記事では「公務員試験の論文頻出テーマ」をまとめています。
全国の市役所・県庁の出題傾向を徹底的に分析しているので、ぜひ読んでみましょう。
最上位合格者の論文対策
結論を先にいってしまうと、上位合格者の多くは「論文は暗記」と言っています。
とある合格者は、予想できる30個程度のテーマを研究し尽くした上で、そのテーマに沿った論文を書き、添削してもらいながら、修正を重ねていったと言っていました。
また、自分の書いた論文を暗記するかの如く、何度も読み返し、頭に叩き込んで本番を迎えたそうです。
このように、上位合格者たちは論文の暗記に注力していることを理解しておいてください。
また、意外なのが上位合格者たちは”考えて”本番の論文を仕上げてはいなかった、という共通点がありました。
「出題された課題について、あらかじめインプットしていた解答を暗記科目かのように書く作業」として捉えていたのです。
論文試験というと、その日出された課題について、その場で考え、分かりやすく表現するもの、と思っている方も多いと思いますが、上位合格者にはその”固定概念”がまるでなかったのです。
”文章を書く”ということに関しては、その日のコンディションも大きく左右します。
また、当日までどんな課題が出るか分からないので、テーマによって点数が大きく変わることもあるでしょう。
そういう”論文の特性”があるからこそ、いくつもの解答をあらかじめ準備しておき、問題文に応じて頭の中から取り出す作業をする方が点数は安定する、というのが上位合格者の論文対策の答えです。
つまり、論文も立派な”暗記科目である”ということなのです。
なお、論文を暗記するコツについては下記の記事で紹介しています。
模範解答を暗記することのデメリット
上位合格者たちはこのようにして「論文を得意」とし、高得点を叩き出しているわけですが、模範解答を暗記することのデメリットもあります。
それは、異なる課題が出題されてしまったときに対応しきれないというものです。
確かに、準備したものとは異なるテーマが出てしまっては、せっかくの記憶も無意味になってしまいますよね。
しかし、このデメリットについては、”そこまで大きなデメリットではない”ということを申し上げておきましょう。
なぜなら、全く異なる課題であっても、模範解答を応用することはできるからです。
つまり、こういうことです。
→模範解答をそのまま利用できる
→模範解答に記載された課題や解決策をそのまま活かす
県庁や市役所の論文は頻出テーマが多くあるため、”予想テーマから大きく外れる”という事態は避けることができるでしょう。
仮に予想とは違っていても、「”少し異なるテーマ”であれば柔軟に対応できる」というのが模範解答を活用することのメリットなのです。
実際、いくつもの模範解答を準備している受験生には、出題されそうな課題の知識が既についています。
自分なりの模範解答は、最強の武器になり得るでしょう。
論文は暗記科目
本来、論文は暗記科目ではありませんが、公務員試験においては”暗記科目化”することが合格への近道です。
なぜなら、出題されている課題を瞬時に理解し、論理的に考え、1時間から1時間30分程度の短い時間で書くことが求められているからです。
例えば、択一試験の問題はパッと見て、反射的に解ける問題も多くあると思います。
論文も”反射的に書ける”ようになったら、楽だと思いませんか?
上位合格者たちは、予想される課題を一通り解答して覚え、その日出たテーマについて反射的に解答している、というわけなのです。
「このテーマなら、これが正解」というように、”考える”のではなく”思い出す”のが論文の最大のコツです。
模範解答をインプットして、アウトプットする。
この方法には、高得点を出すためのメリットが詰まっています。
時間内にしっかり解答できる
公務員試験の論文は、解答時間が長くないのが一般的です。
課題をみて、構成を練り、考えたうえで解答する… 非常にギリギリです。
実際、論文試験の時間に間に合わず、思うような論文が書けなかったと後悔する受験生が毎年のようにいます。
通常の論文試験は以下の流れです。
②課題に対する知識を思い出す
③問題点や解決策を考える
④論理的に組み立てる
⑤これらの流れに矛盾がないかを確かめる
⑥書き始める
⑦制限時間と字数を確認しつつ微調整をする
これだけの工程を、時間内に素早く行わなければなりません。
試験当日は教養試験や専門試験の後に論文試験が行われることも多く、疲れも出ているはずですから、工程はなるべく減らしたいところです。
一番悔しいのは、書いてみたら字数が満たせなかったときや、逆にオーバーしてしまったときです。
パソコンのように途中の文章を上手く削除したり加筆したりすることができませんから、修正はかなりの時間ロスになってしまいます。
一方、論文試験を暗記科目として捉えている人の流れはどうでしょうか?
②模範解答を思い出す
③問題文に合わせて模範解答を調整しながら書く
7つの工程が必要だったものが、暗記科目化することで3つの工程に収まります。
また、模範解答は1000字~1500字程度の文章量となっていますので、ある程度、文章量の調整も効きます。
これなら、しっかりと時間内に収めることができ、ギリギリ状態を回避することができます。
本番の疲れ、緊張を物ともしない
多くの受験生にとって、公務員試験当日は人生の正念場です。
論文を苦手と思うほど緊張しますし、教養試験、専門試験の後で、心身ともに疲れていると思います。
それまでの試験の内容があまり良くない場合には、余計「挽回しなきゃ」と高ぶってしまうこともあります。
通常は、この決して良いとはいえない精神状態の中で、素早く正確に書くというのは本当に大変なことです。
論文対策の一般的な方法としては、”論理的に考える力を身につける”、”思考力を養う”などの方法がありますが、限られた勉強時間で目に見えない「力」を身につけるのはとても難しいものです。
仮に身についたとしても、この極限の中、正しく発揮できるかは定かではありません。
上位合格者たちは、そうした不安定さを解消するため、論文を暗記科目化して安定を図っているのです。
人間の思考力というのは、その日の体調や精神状態によって大きく左右されますから、より確実な方法で合格を目指していきましょう。
テーマについて正しく解答できる
論文試験は、課題への理解度がみられます。
そのため、予想されるテーマに対して研究を重ねる人も多くいます。
しかし、テーマ研究をしたとしても、そのテーマの論文が書けるとは限りません。
実際、そのテーマに対して十分に研究をし、問題点や解決策が浮き彫りになっても、文章化できるかどうかはまた別の話です。
多くの人は課題を探究する方にばかり力を入れ、肝心の「文章を書く」という部分を疎かにしてしまいます。
また、試験当日の緊張感の中では、溜め込んだ知識を上手くアウトプットできない可能性も高いでしょう。
論文対策をする上で、あなたも自分の書いた文章を読み返すことがあると思いますが、そのときは「上手く書けた」つもりでも、時間を置いて読み返すと「なんじゃこりゃ」となることがよくあります。
そういった意味でも、模範解答を暗記して正しくアウトプットするのが、論文の高得点を出すポイントになります。
既に完成している論文をアウトプットするだけなので、あれこれ頭を悩ませることはありません。
このポイントを押さえておけば、きっとスラスラ文章が出てくるのではないでしょうか?
論文を暗記科目にするには?
このように、論文試験を「暗記科目と捉えて」模範解答を記憶しておくことが大切です。
上位合格者たちが何人もこの方法を実践している通り、確実に高得点を叩き出せる方法なのです。
では、具体的に論文試験を暗記科目とするには、どのようなことを行ったら良いのでしょうか?
答えは実にシンプルで、「ありとあらゆる予測できるテーマの模範解答を読み込み、記憶する」これだけです。
教養試験や専門試験の中にも暗記科目がありますが、それらとやることは一緒です。
こうすることによって、どんな課題であってもしっかりと高得点の取れる論文が書けるようになります。
インプットする方法は以下の通りです。
模範解答を準備し、読み込む
最も効率よくインプットする方法は、とにかく読み込んで文章を丸々覚えてしまうことです。
とてもシンプルですが、この方法に勝る方法はありません。
また、しっかりとインプットした後、アウトプットとして写経するのもおすすめです。
一言一句合っている必要はありませんが、アウトプットできるのかの確認作業としても役立ちます。
実際にやってみると分かりますが、暗記科目とはいえ、やはり「書く」練習も必要になります。
闇雲に書いても上達には繋がらないので、インプットができた後の方法として取り入れてみてください。
このように、模範解答をよく読み真似して書くことによって、論文のルールや構成、時間配分、文章量までしっかりと網羅することができます。
模範解答を覚えて書けるようになる頃にはテーマの研究もできていることになるので、テーマ研究の時間短縮にも繋がります。
今回ご紹介したこの方法は、非常に画期的な方法ではありますが、論文対策として教えている人はほとんどいません。
論文の参考書が部分的に不要になってしまい、売上が低下してしまうからですね。
確かに良い論文を書くためには、論理的思考能力も必要だと思います。
しかし、あなたの最大の目的は”公務員試験に合格すること”です。
他のライバルたちが必死に論文対策をしているのと同じように、あなたも必死に勉強する必要があるわけで、効率の良い方法を選ぶのは必然です。
限られた勉強時間の中で、上位合格者たちのように圧倒的な成果を上げるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
模範解答の準備方法
最後に、模範解答はどのように準備すれば良いのかについて紹介していきます。
この方法は既に完成された論文がないと成り立ちませんので、ぜひ以下の方法でご用意ください。
自分で作成する
冒頭で紹介した合格者は、時間をかけてテーマの研究を行い、自ら”完成論文”を作って、それをインプットしていました。
正直骨の折れる作業ではありますが、自分の考えが主体になっているので、インプットしやすく、アウトプットもしやすいメリットがあります。
対策すべき課題はいくつもあるので、時間がかかるということだけは頭に入れておきましょう。
また、書店に置いてある論文対策の本は特定の自治体を念頭に置いていないため、皆さんの志望先に特化した対策を行うことは事実上不可能です。
当サイトの解答例を参照する
当サイトでは頻出テーマについての模範解答例を多数紹介しております。
こちらを参照するだけでも、各テーマの基礎的な知識を入れられるでしょう。
それ以外にも、当サイトでは「東京都庁」「特別区」「裁判所」「国家一般職」などの主要組織の模範解答例を公開中です。
これらを参考にすることで、更に論文の実力を高めることができるでしょう。
ただし、これらの解答例はあくまでも「過去の頻出テーマ」に対応したものです。
あなたが受験する市役所・県庁で同様のテーマが出題されるとは限りません。
自治体の頻出テーマは数年ごとに大きく傾向が変わります。
つまり、過去のテーマに目を向けるだけでは論文対策は不十分なのです。
予想テーマセットを利用する
かといって、自治体別に予想テーマ自作するのは時間と労力がかかります。
ですから、時間が惜しい方は予想テーマを含んだ模範解答集を使用しましょう。
正直、試験対策は何も論文には限りませんし、教養試験や専門試験の対策にも時間がかかるため、多くの時間をかけられないという方も少なくありません。
最もおすすめするのは、下記の【論文予想テーマセット】です。
この論文予想テーマセットは、各自治体の過去テーマを分析し、予想されるテーマに対する模範解答をまとめたセットです。
自治体別に対応していますから、あなたの志望先に特化して対策することができます。
模範解答集を活用すれば、テーマ研究や模範解答となる論文を書く時間を別のことに使うこともできますから、時間をお金で買うつもりで準備することを推奨します。
今回は、論文試験の対策方法について紹介しました。
論文を暗記科目として捉えるという発想自体、目から鱗だったのではないかと思います。
ぜひ、論文対策の参考にしてください。