<公務員試験>論文頻出テーマまとめ2024!ランキング上位は要注意!

公務員試験における論文のテーマは非常に幅広く、対策しにくいと感じている方も多いのではないでしょうか?
確かに、各自治体の抱える問題は山ほどあり、幅広いバリエーションの中から出題されるのは間違いありません。

しかし、テーマはある程度予想を立てたうえで対策できるものですので、心配いりません。

予想の立て方はとてもシンプルで、全国の公務員論文試験の過去問を見て、毎年のように出題されている頻出テーマを押さえることです。

今回は、過去の公務員試験の論文テーマからよく出題されている頻出テーマを絞り、過去問としてご紹介しながら、対策方法を紹介していきます。

なお、論文道場では論文予想テーマセットを提供しています。

県庁・市役所の出題傾向を分析し、予想テーマと模範解答としてまとめたセットです。
自治体別に対応していますから、あなたの志望先に特化して対策することができます。

公務員試験の論文テーマについて

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公務員試験の合格のコツは、何といっても「過去問を十分に勉強しておくこと」です。
その中でも論文試験は、頻出されているテーマがある程度絞れるため必見です。

なお、全国の論文試験過去問を下記の記事からご確認いただけます。

近年、過去問でよくある論文のテーマは以下です。
※クリックすると模範解答(もしくはテーマ解説)の記事に飛びます。

やはり、今年も注目すべきは「アフターコロナ」のテーマです。

2019年の12月初旬に第1例目の感染者が出て以来、途絶えることなく流行し続け、ようやく収束の兆しが見えてきました。
その間に日本も色々なことが大きく変わりましたが、それは世界も同じです。

このテーマは地方自治体から世界まで幅広く関わるものですので、関連テーマが出題される可能性は高いだろうと予測できます。

論文頻出テーマランキング

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さて、過去数年の過去問にあるテーマをランキング形式で紹介します。

第1位 人口減少
第2位 災害対策
第3位 アフターコロナ
第4位 高齢化(少子高齢化)
第5位 デジタル化

それぞれの詳しい内容については、以下をご参照ください。

第1位 人口減少

人口減少関連のテーマを出題した自治体は、66に上ります。

そのうち5つの自治体の出題例を掲載します。

2019年

人口減少し、超高齢化時代を迎える青森県が今後も地域として生き残るために、今、特に力を入れて取り組むべきことについて、あなたの考えを述べなさい。

<青森県庁>論文過去問を参照

2019年

川崎市は政令指定都市のなかで人口増加比率が最も高く、令和元年5月1日現在の人口で神戸市を上回り第6位になりました。全国的に人口減少が進むなか、令和12(2030)年まで人口増加が続くと予測されている川崎市の人口増加の要因についてあなたの分析を述べたうえで、その人口増加及び人口集積を活かし、かつ、やがて訪れる人口減少期を見据えつつ、「選ばれるまち」また、「住み続けたいまち」であり続けるために取り組むべき川崎市の施策について、一つの政策分野を挙げ、具体的に提案してください。

<川崎市役所>論文過去問を参照

2019年

日本全体では人口減少が続くなか、昨年、さいたま市は人口130万人を突破し、今後10年は人口が増加する見通しである。しかし、その後は人口が減少に転じる見通しとなっており、こうした状況を踏まえ、さいたま市が行政として果たす役割について、あなたの考えを述べなさい。

<さいたま市役所>論文過去問を参照

2019年

若者の首都圏への流出を抑制し、人口減少を緩やかにしていくために、行政はどのような取り組みを行うべきか、あなたの考えを述べなさい。

<新潟市役所>論文過去問を参照

2020年

人口の減少は、県内の各地域における様々な需要の減少をもたらし、地域経済をはじめ、地域の社会システムに様々な影響を与えることが指摘されています。そこで、岩手県の現状における課題を1つ挙げ、その課題の10年後における望ましい姿を述べるとともに、そのために必要な取組について、具体的に論じなさい。

<岩手県庁>論文過去問を参照

ちなみに、人口減少の論文を書く上で特に重要となる点を下記の記事で解説しているので、まだ読んでいない人はそちらも併せて読んでみてください。

第2位 災害対策

災害対策関連のテーマを出題した自治体は、49に上ります。

そのうち5つの自治体の出題例を掲載します。

2021年

近年多発する自然災害に対して、防災・減災の取り組みを進めるなど、自然災害に強いまちづくりを行うために必要な行政の役割について、あなたの考えを論じなさい。

<仙台市役所>論文過去問を参照

2020年

(2)近年、気候変動の影響等により大規模な水害が発生しています。また、今後高い確率で発生することが予想される首都直下地震は、東京に甚大な被害をもたらすことが想定されています。そのため、特別区は、地域の課題を的確に把握した上で、区民等と協力しながら、災害に強い安全で安心なまちづくりの取組を積極的に推進していかなければなりません。このような状況を踏まえ、都市における地域の防災力強化について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

<特別区>論文過去問を参照

2020年

近年、大型台風や豪雨による災害が多発しているが、これらの災害に対する備えと災害が発生した後の対応について、行政としてどのような取組ができるか、あなたの考えを述べなさい。

<福島県庁>論文過去問を参照

2019年

今後30年以内に震度6弱以上の強い揺れが予測される巨大地震(南海トラフ地震)に対処するため、県が行うべき防災対策について、あなたの考えを論じなさい。

<岐阜県庁>論文過去問を参照

2021年

大阪市においては、ポストコロナに向けた大阪の成長として、「経済成長に向けた戦略の実行」、「都市インフラの充実」、「防災力の強化」、「成長産業の育成」を掲げている。これらから1つを選び、どのような課題があるかを具体的にあげ、その解決策についてあなたの考えを述べなさい。

<大阪市役所>論文過去問を参照

ちなみに、災害(防災)対策の論文を書く上で特に重要となる点を下記の記事で解説しているので、まだ読んでいない人はそちらも併せて読んでみてください。

第3位 アフターコロナ

コロナ関連のテーマを出題した自治体は、41に上ります。

そのうち5つの自治体の出題例を掲載します。

2022年

次のいずれかを出題

(1)ウィズコロナを見据えた「攻め」の社会経済活動について
(2)オール愛媛で取り組むべき重要施策について

<愛媛県庁>論文過去問を参照

2021年

アフターコロナについて、自由に述べなさい。

<山形市役所>作文過去問を参照

2021年

さいたま市では、ICTの導入及びこれと連動する制度改正や意識改革等の包括的な実施によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組んでいます。アフターコロナも見据えた戦略的なDXの推進に向け、さいたま市はどのような取組をすべきか、次のキーワードから一つ選びあなたの考えを述べなさい。
「窓口オンライン化」「テレワーク」「データ活用」「業務効率化」

<さいたま市役所>論文過去問を参照

2021年

新型コロナウイルス感染症による社会変化でのあなたの経験やその経験から得たことを挙げ、それを千葉市職員としてどう活かしていきたいか、述べなさい。

<千葉市役所>論文過去問を参照

2022年

新型コロナウイルス感染症の拡大は、様々な分野に影響を及ぼしています。今後は、感染症対策に努めながら、社会活動・経済活動を活性化させていく必要があります。ウィズコロナ・アフターコロナを見据え、県行政としてどのような取組みを推進していくべきか、あなたの考えを述べなさい。

<長崎県庁>論文過去問を参照

ちなみに、コロナ論文を書く上で特に重要となる点を下記の記事で解説しているので、まだ読んでいない人はそちらも併せて読んでみてください。

第4位 高齢化(少子高齢化)

高齢化(少子高齢化)関連のテーマを出題した自治体は、32に上ります。

そのうち5つの自治体の出題例を掲載します。

2021年

人口減少や少子高齢化、自然災害の激甚化など様々な課題に直面する一方、AI(人工知能)や情報通信技術の発達など、未来につながる動きが加速化しています。こうした中、兵庫県では、今後の兵庫の未来を示す羅針盤として「兵庫 2030 年の展望」を策定し、生活、人、産業、地域のすべてがバランスした「すこやか兵庫」の実現を目指しています。そこで、「兵庫 2030 年の展望」を策定した背景や、展望の3つの基本方針及びそれに基づく主な取組の方向性を記載した上で、あなたが考える「すこやか兵庫」とはどのような社会か、また、その実現に向け、どのような取組を行うべきかを述べなさい。

<兵庫県庁>論文過去問を参照

2020年

本格的な人口減少時代の到来、少子・高齢化の進展など、公共交通を取り巻く環境は急激に変化しています。そこで、上記のような環境の変化が公共交通に及ぼす影響を考察したうえで、公共交通が今後も「市民の足」としての役割を果たしていくためには、行政としてどのような取り組みを行うべきか、あなたの考えを述べなさい。

<神戸市役所>論文過去問を参照

2021年

和歌山県における人口減少や少子高齢化が進む現状を踏まえた上で、県の取り組むべき施策について、あなたの考えを述べなさい。

<和歌山県庁>論文過去問を参照

2019年

税金と少子高齢化

<米子市役所>作文過去問を参照

2021年

「適散・適集社会について」

広島県では、新型コロナ危機を契機とした新しい価値観の高まり、進行する少子化・高齢化による人口構造の変化、東京一極集中に起因する若者層を中心とした社会減などに対応するため、「適切な分散」と「適切な集中」をうまく組み合わせた「適散・適集社会」を実現することが必要と考えています。「都市と自然の近接性」という広島の強みを生かし、それを実現するために、県が取り組むべきことについて、あなたの考えを述べなさい。

<広島県庁>論文過去問を参照

ちなみに、高齢化対策の論文を書く上で特に重要となる点を下記の記事で解説しているので、まだ読んでいない人はそちらも併せて読んでみてください。

第5位 デジタル化

デジタル化関連のテーマを出題した自治体は、24に上ります。

そのうち5つの自治体の出題例を掲載します。

2021年

さいたま市では、ICTの導入及びこれと連動する制度改正や意識改革等の包括的な実施によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組んでいます。アフターコロナも見据えた戦略的なDXの推進に向け、さいたま市はどのような取組をすべきか、次のキーワードから一つ選びあなたの考えを述べなさい。
「窓口オンライン化」「テレワーク」「データ活用」「業務効率化」

<さいたま市役所>論文過去問を参照

2021年

将来にわたり豊かさにあふれる持続可能な都市の実現に向けて、環境との共生とデジタル化による利便性を兼ね備えた東京をつくっていくために、都が取り組むべきことは何か、あなたの考えを述べよ。

<東京都庁>論文過去問を参照

2021年

新型コロナウイルス感染拡大により、オンライン手続きの不具合やテレワークの阻害要因など、多様な分野でデジタル化への課題が浮き彫りとなりました。業務のデジタル化を推進するため、県としてどのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べなさい。

<富山県庁>論文過去問を参照

2021年

群馬県では、「群馬県庁DXアクションプラン」を策定し、令和5年度(2023)までに日本最先端クラスのデジタル県の達成を目指している。行政のデジタル化の推進のために、県ではどのような施策に取り組めばよいか、あなたの考えを述べよ。

<群馬県庁>論文過去問を参照

2021年

令和2年12月、「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」が閣議決定された。本年9月にはデジタル社会形成基本法の施行が予定されている。本県においても、行政のデジタル化を着実に推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指す「埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画」を本年3月に策定したところである。そこで、次の2点について900字以上1,100字以内で論じなさい。

(1)デジタル社会の実現が求められる社会的背景、理由は何か。
(2)デジタル社会の実現に向け、行政が取り組むべきことや取り組む上での課題は何か。

<埼玉県庁>論文過去問を参照

ちなみに、デジタル化の論文を書く上で特に重要となる点を下記の記事で解説しているので、まだ読んでいない人はそちらも併せて読んでみてください。

ここまで見てきた通り、試験の内容や自治体によって、大きく問題文が異なります。
特に問題文のボリュームについては、かなり大きく違うことが分かりますね。

他の自治体の問題文との比較をしながら、対策していくことをおすすめします。

論文試験の勉強方法

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勉強法を知る前に、まずは論文試験で何を見られているのかを知る必要があります。

それは、問題を読み解く力文章を作成する力の2つです。
勉強をする上で重要視したいのはこの2つであり、この部分ができていないと評価はされません。

以下の例題を使って、勉強方法を紹介していきます。

【2019年】
今後、本格的な人口減少が続く日本で、空き家の発生が加速し、地域が荒廃することが危惧されており、神戸市内においても同様の問題が発生してきています。使える空き家は「活用」・「流通」を図る一方、活用等の見通しが立たず取り残されている老朽空き家は、周辺への影響が深刻化しないうちに早期解消を図ることが必要です。空き家が地域に与える影響を分析したうえで、行政としてどのような取り組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。

<神戸市役所>論文過去問を参照

①問題文を正しく読み解く

「問題文を正しく読み解く」というのは、簡単にいってしまうと「読解力」です。
問題文の文章をしっかりと隅々まで読み、どんな内容を求められているのかを考えていきましょう。

上記の例題の場合、空き家問題がテーマとなっているのはお分かりかと思います。

○○問題というとネガディブなものを思い浮かべてしまいますが、例題をよく読むと、「使える空き家は「活用」・「流通」を図る」と、空き家問題はメリットにもなり得ることが言及されているのが分かります。

つまり、空き家問題とはいうものの、デメリット・メリットの両面を見据えた文章に仕上げないと、読解力が足りないと判断されてしまう、ということです。

「ああ、空き家問題ね」と冒頭部分で判断してしまうのではなく、最後まで読んでから考え出すようにしましょう。

なお、これ以外の「注意点や論文の基本的な書き方」は下記の記事で解説しています。

②文章を正しく作成する

例題にはしっかりと「行政として」と書かれているので、その立場に立ったつもりで文章を作成する必要があります。

また、論文というのはプレゼンとは異なりますので、アイデア勝負ではありません。
あくまでも、問題を正しく捉え、適切な回答をまとめ、文章を正しく作成することが求められています。

取組については普遍的なものでも良いので、自分ならどうするか、という部分を分かりやすく読みやすく書いていきましょう。

特に公務員試験の論文対策を独学で進めようとしている人は、上記2つのポイントを強く意識しなくてはいけません。
なお、下記の記事では独学者向けに「公務員試験の論文を独学で対策する方法」を紹介しているので、よろしければご覧ください。

おわりに

公務員試験の論文に取り組むにあたって、重要なのは、やはり頻出テーマの把握です。
特に自分の受験する職種や地域毎のテーマに関しては、力を入れて勉強したいところです。

まずは、今回ランキングにあげたテーマをもとに、練習してみてください。
だいたい20テーマくらいを対策しておくのが無難でしょう。

文章を書くことに自信がなくとも、書いている内に少しずつ慣れ、自分の考えを文章に変換しやすくなります。

また、普段からクオリティの高い模範論文を参考に書く練習をしておけば、多少異なった角度からの出題があっても安心して対応することができるでしょう。

なお、次の記事でも「公務員試験の論文模範解答例」を紹介しているので是非読んでみましょう。

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