<国家一般職 論文試験対策>過去問と模範解答例

国家一般職の論文過去問と模範解答例を公開しています。

国家一般職受験生はぜひ参考にしてください。

試験概要

kokkaippan-kakomon

【大卒程度試験】
・形式:論文
・試験時間:60分
・文字数:指定なし

模範解答例

下記の記事で国家一般職の論文模範解答例を公開しています。

大卒程度試験

【2023年】
我が国においては、文化財の滅失や散逸等の防止が緊急の課題であるとされ、茶道や食文化などの生活文化も含め、その保護に向けた機運が高まってきている。文化財保護法については、平成30年に、地域における文化財の総合的な保存・活用や、個々の文化財の確実な継承に向けた保存活用制度の見直しなどを内容とする改正が行われ、また、令和3年に、無形文化財及び無形の民俗文化財の登録制度を新設し、幅広く文化財の裾野を広げて保存・活用を図るなどの改正が行われた。このような状況に関して、以下の資料①、②、③を参考にしながら、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。

(1)我が国が文化財の保護を推進する意義について、あなたの考えを述べなさい。
(2)我が国が文化財の保護を推進する際の課題及びそれを解決するために国として行うべき取組について、あなたの考えを具体的に述べなさい。

※資料は省略

【2022年】
我が国は、2020年10月に、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。また、2021年4月には、2030年度の新たな目標として、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%削減に向けて挑戦を続けるとの新たな方針を示した。なお、世界では、120以上の国と地域が2050年までのカーボンニュートラルの実現を表明している。

※カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること

上記に関して、以下の資料①、②を参考にしながら、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。

(1)カーボンニュートラルに関する取組が我が国にとって必要な理由を簡潔に述べなさい。
(2)カーボンニュートラルを達成するために我が国が行うべき取組について、その課題を踏まえつつ、あなたの考えを具体的に述べなさい。

※資料は省略

【2021年】
厚生労働省「国民生活基礎調査」による我が国の「子どもの貧困率」は、2018年時点で13.5%と、子どもの約7人に1人が貧困線”を下回っている。このような状況に関して、以下の資料①、②、③を参考にしながら、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。なお、同調査における「子どもの貧困率」とは、17歳以下の子ども全体に占める、貧困線に満たない17歳以下の子どもの割合のことである。

※貧困線とは、等価可処分所得の中央値の半分の値をいい、等価可処分所得とは、下記により算出した所得である。なお、2018年の貧困線は127万円である。

等価可処分所得=(総所得一拠出金(税金や社会保険料))÷√世帯人員数(所得のない子ども等を含む)

(1)我が国の子どもの貧困問題が社会にどのような影響を及ぼすのか、子どもの貧困に関する現状を踏まえながら、あなたの考えを述べなさい。
(2)我が国が子どもの貧困問題に取り組む上でどのようなことが課題となるかについて、あなたの考えを具体的に述べなさい。

※資料は省略

【2020年】
我が国では、2040年頃には、いわゆる団塊ジュニア世代が高齢者となり、高齢者人口がピークを迎える一方、現役世代が急激に減少する。そこで、2018年10月に設置された「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」の取りまとめにおいて、「健康寿命延伸プラン」が作成され、2016年時点において男性では72.14年、女性では74.79年となっている健康寿命を、2040年までに男女ともに3年以上延伸し、75年以上にすることが目標として掲げられた。なお、健康寿命とは、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間である。このような状況に関して、以下の図①、②、③を参考にしながら、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。

(1)我が国が健康寿命の延伸に取り組む必要性について、あなたの考えを述べなさい。
(2)健康寿命の延伸を阻害する要因は何か。また、健康寿命を延伸するために国としてどのような取組が必要となるか。あなたの考えを具体的に述べなさい。

※資料は省略

【2019年】
我が国は、「日本再興戦略2016」において、キャッシュレス決済の普及による決済の利便性効率性の向上を掲げ、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等を視野に入れたキャッシュレス化の推進を示している。さらに、2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」においては、KPI(KeyPerformanceIndicator:重要な評価指標)として2027年6月までにキャッシュレス決済比率を4割程度とすることが新たな指標として掲げられた。

*キャッシュレス:物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態

このような状況に関して、以下の図①、②を参考にしながら、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。

(1)キャッシュレス化のメリットデメリットを述べた上で、我が国がキャッシュレス化を推進する必要性や意義について、あなたの考えを述べなさい。
(2)(1)に照らして、キャッシュレス化を推進するためにはどのような取組が必要となるか。あなたの考えを具体的に述べなさい。

※資料は省略

【2018年】
我が国の生産年齢人口は1990年代をピークに減少を続けており、今後も減少が続くと推計されている。この生産年齢人口の減少に伴う生産力の低下によって、我が国の社会経済に大きな影響を与えることが懸念されている。この状況に関して、以下の問いに答えなさい。

(1)生産年齢人口の減少による生産力低下に影響されることなく、中長期的に経済成長を実現していくために解決すべきと考える課題を、以下の図①、②を参考にしながら、二つ述べなさい。
(2)(1)で挙げた二つの課題を解決するためには、それぞれどのような取組が必要となるか。あなたの考えを具体的に述べなさい。

※資料は省略

【2017年】
我が国において、今後、長期的に人口減少・少子高齢化が見込まれる中、力強い日本経済の復活に向けた成長戦略の柱の一つとして、「観光」が注目を集めており、世界に誇る観光立国の実現に向けて、官民挙げて様々な取組が行われている。2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される予定であり、政府の「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成28年3月30日策定)によると、2020年には訪日外国人旅行者数を2015年の約2倍の4,000万人に増やすなどの目標が掲げられているところである。このような状況に関して、以下の問いに答えなさい。

(1)我が国が観光立国の実現を推進する必要性や意義について、あなたの考えを述べなさい。
(2)(1)に照らして、観光立国の実現を推進するために我が国が行うべき施策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。

【2016年】
平成26年(2014年)度に行われた全国の20歳以上の男女を対象とした意識調査によれば、健康のための食生活に関する意識や、健康や栄養に配慮した食生活の実践などの点で、20歳代~30歳代を中心とした若い世代では、40歳以上の世代よりも課題があるとされている。国民が健全な心身を培い、豊かな人間性を育むために食育は極めて重要である。食育は、生きる上の基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるべきものと位置付けられるとともに様々な経験を通じて、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるものとして、その推進が求められている。このような状況に関して、以下の問いに答えなさい。

(1)20歳代~30歳代を中心とした若い世代の現在の食生活について、具体的にどのような問題点や課題があると考えられるか。あなたの考えを述べなさい。
(2)若い世代が食育に興味や関心を持つようになるための施策について、あなたの考えを述べなさい。

【2015年】
以下の文章を読んで次の問いに答えなさい。

文化庁「国語に関する世論調査」(平成25年度)によると、言葉や言葉の使い方に対する社会全体の関心が「以前よりも低くなっていると思う」という回答が30代から60代で5割を超えており、言葉や言葉の使い方に関する社会全体の知識や能力が「以前よりも低くなっていると思う」という回答が20代から50代で6割以上となっています。また、「世間ずれ」、「やぶさかでない」といった慣用句等の意味を尋ねたところ、本来とは違う意味とされる選択肢の方が多く選択される状況にあります。さらに「~る」、「~する」形の動詞については、「チンする」(「電子レンジで加熱する」という意味)は9割、「サボる」(「なまける」という意味)は8割台半ばの人が「使う」と回答しています。他方、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が2009年に発表した「世界消滅危機言語地図」においては、世界で2,500に上る言語が消滅の危機にあると指摘されており、日本国内ではアイヌ語や沖縄語など8言語・方言がその中に含まれています。

(1)言語の意味の変化、新しい言葉の出現、言葉の消滅が起こる原因及び影響として考えられるものを挙げた上で、それらを踏まえて、言葉の果たす役割について、あなたの考えを具体的に述べなさい。
(2)言葉についての関心を喚起し、理解を深めるための施策について、あなたの考えを述べなさい。

【2014年】
以下の文章を読んで次の問いに答えなさい。

世界は、グローバル化が急速に進展し、人や物、情報等が国境を越えて行き交う大競争の中にあります。日本が将来にわたって国際社会の中で信頼、尊敬され、存在感を発揮しつつ発展していくためには、多様な人材が、社会の様々な分野で活躍することが求められます。また、少子・高齢化の進展に伴い、生産年齢人口が大幅に減少していく中で、経済成長を持続していくためには、イノベーションの創出を活性化させるとともに、人材の質を飛躍的に高めていく必要があります。そのためには、教育の在り方が決定的に重要であり、若者の能力を最大限に伸ばしていくことが不可欠です。

(1)今日の社会の変化とその背景を述べ、それに対応するため、育成を図るべき能力について、あなたの考えを述べなさい。
(2)(1)で述べたような能力を培うために、初等中等教育においてどのような取組を行うべきかについて、具体例を挙げながら述べなさい。

【2013年】
以下は平成24年度版科学技術白書の抜粋である。これに関し(1)及び(2)の問いに答えなさい。

東日本大震災は、自然の猛威を前に我々が築いてきた現代文明かいともたやすく破壊され、多くの尊い命が奪われてしまう現実を、さらには、これまで日常生活を豊かにしてくれていた科学技術の限界や、社会・経済システムの脆弱さを我々に突き付けた。(ア)今回の震災が科学技術の各分野や科学技術政策に投げかけた課題は深く、重い。しかしながら、「社会の新たな問題はさらなる科学技術の発展によって解決される」と思っている国民の割合が、震災を契機に低下したものの依然として6割を超えていることからも明らかなように国民の科学技術の発展に対する期待は、従来の科学技術の成果が必ずしも国民の期待に応えられなかった面もあるが、一方で、地震に際して、緊急地震速報により東北新幹線が緊急停止し被害拡大を防いだこと、耐震補強技術により甚大な被害を免れ八橋梁等の例もあったことなど、科学技術が被害拡大防止に貢献した面もある。また、戦後から、河川堤防等の治山治水事業の進展やアメダス、気象衛星等の導入などにより、我が国が自然災害に耐え得る強靭さを備えてきたこともまた事実である。今後、政府は、震災が投げかけた様々な課題に真摯に対応していくことを通じて、国民からの信頼の回復に努めるとともに、我が国が震災からの復興・再生を果たし、将来に向けて持続的に発展していくためにその原動力となり得るのが科学技術であるということにも思いを致しながら、(イ)社会の要請に応えた科学技術の振興に努めていかなければならない

(1)下線部(ア)について、東日本大震災が科学技術の各分野や科学技術政策に投げかけた課題は何か。あなたの考えを具体例を交えながら述べなさい。
(2)下線部(イ)について、(1)で述べた課題を解決し、今後、社会の要請に応えた科学技術を振興していくためには、どのような取組が必要となるか。あなたの考えを述べなさい。

【2012年】
近年、我が国では生活保護受給者数(被保護人員)が急増し、平成22年(2010年)度には195万2,063人となった。生活保護世帯(被保護世帯)に支給される生活保護給付費も、平成22年度で約3.3兆円となり、国や地方公共団体の財政にとって大きな負担となっている。このような状況に関して、図①、②を参考にしながら、以下の問いに答えなさい。

(1)生活保護制度については、憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活を守るためのセーフティーネット(安全網)であり、国民に与えられた当然の権利であるとする意見がある一方、生活保護制度への過度の依存は、かえって個人の自立を妨げ、貧困や経済的格差の固定化につながりかねないという意見もある。この点に関するあなたの考えを簡潔に述べなさい。
(2)近年、生活保護受給者数が急増している要因として考えられるものを挙げた上で、生活保護制度を効果的、効率的なものとするために有効と考えられる行政の施策について述べなさい。なお、雇用・年金など他の社会保障制度との関連や、国や地方公共団体の財政、現行の生活保護制度の問題点等に留意すること。

※資料は省略

【2011年】
近年、我が国の若者の雇用状況をめぐっては、新規学卒者の就職率の落ち込みが見られるなど就職難が指摘されている。また、世界的に見ても、若者への求人の減少や若年層の失業率の上昇が多数の国で報告されるなど、若者の雇用問題への取組みは、各国に共通する大きな行政課題であると考えられる。このような状況に関して、以下の問いに答えなさい。なお、下の各図を参考にしてもよい。

(1)若者の雇用状況に対し、影響を与えていると考えられる要因をできるだけ幅広く挙げた上で、それぞれがどのような問題を生じさせているのか、簡潔に述べなさい。
(2)上記(1)で挙げた問題のうち、我が国において特に深刻と考えるものを取り上げた上で、それを改善するために有効と考えられる行政の施策と、その施策による波及的な影響など、その施策を導入する際に留意すべき点を述べなさい。

※資料は省略

【2010年】
平成18年6月に、自殺対策の総合的かつ効果的な推進を図るため、「自殺対策基本法」が制定され、平成18年10月に施行された。しかしながら、下図にあるように、我が国においては、依然として毎年3万人を超える人が、自ら命を絶っている。このような状況に関して、以下の問いに答えなさい。

(1)「自らの命を絶つことも個人の自由である」との考え方について、あなたの意見を簡潔に述べなさい。
(2)近年、我が国において自殺者数が3万人を超える高い水準で推移している社会的背景として考えられるものを述べなさい。
(3)自殺を防止するために有効と考える行政の施策について述べなさい。

※図は省略

【2009年】
我が国においては、今日においても、いったん社会に入って仕事についてしまうと、どうしても仕事中心の生活になってしまいがちである。そのため、仕事を続けながら、家事、育児、介護等を行うことや家族や友人と充実した時間をもつということは現実的には難しい状況にある。一方、時代が急速に変化し、特に少子高齢化の進展に伴う生産力の低下や活力の減退が指摘される環境の下、個人のライフスタイルや意識も大きく変化してきている。このような中、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の実現を目指す動きが社会全体でますます高まっている。以上のことを念頭において以下の問いに答えなさい。

(1)仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の実現が強く求められている我が国の現状について論述しなさい。
(2)仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の実現に向けて、企業、働く者及び国が行うべき取組について論述しなさい。

【2008年】
私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、日々「お金」と関係しながら暮らしている。しかし、「お金」について、わが国では、「人生の幸福は、お金では買えない。」、「子どもに対して、早くからお金について教えることは良くない。」、「お金を増やすことばかり考えると、人間は働かなくなる。」などの意見にみられるように、「お金」に関して否定的なイメージで捉えられることが少なくない。他方、「お金」に関することは生活をする上で基本的なスキルであり、人前で「お金」の話をすることを恥ずかしいと考えたり、金儲けの話をタブー視する風潮はおかしいとする意見もある。また、近年、我が国では、ペイオフの解禁、金融商品・サービスの多樣化、IT化を含めた販売チャンネルの多様化など、金融を取り巻く環境が大きく変化しつつあり、多重債務問題や詐欺犯罪などのようにお金をめぐるトラブルも起きていることから、義務教育などの早い段階においてもお金に関する正しい知識を身に付けさせるため、金融教育の必要性が指摘されている。これに関して、(1)及び(2)の問いに答えなさい。

(1)上記の意見を参考にしつつ、あなたにとって「お金」とは何であるか、また、その「お金」とのかかわり方について論じなさい。
(2)金融教育のメリットとデメリットを比較した上で、金融教育を実施することの是非について論じなさい。

【2007年】
現在我が国においては、急速に少子化が進行し、2005(平成17)年の合計特殊出生率は、1.25と過去最低の水準を更新した。これは、他の先進諸国と比較しても極めて低い水準にあり、また低下の一途をたどっていることが特徴である。出生率低下の要因は、「未婚化・晩婚化の進行」と「夫婦出生児数の減少」である。未婚率は男女とも依然上昇傾向にある。また、結婚した夫婦からの出生児数も1990年代以降減少傾向にあり、1960年代生まれ以降の世代では、これまでのように最終的な夫婦出生児数が2人に達しない可能性も考えられる。(「平成18年版厚生労働白書」より抜粋)これに関して、(1)及び(2)の問いに答えなさい。

(1)このような「未婚化・晩婚化の進行」、「夫婦出生児数の減少」による出生率の低下が続いていることの社会的背景として考えられるものを二つ挙げて説明しなさい。
(2)(1)で挙げた社会的背景のうちの一つについて、このような状況を改善するためにあなたが有効と考える対策を具体的に説明しなさい。

【2006年】
1980年代後半、我が国では、正社員になろうと思えばなれるにもかかわらず、パート・アルバイトなどの多様な働き方を自ら進んで選択する人々がフリーターとして注目を集めた。その当時は、旺盛な企業の雇用需要を背景として、フリーターという言葉には「自由で新しい生き方」という肯定的な意味が与えられていた。しかし、1990年代以降の展用情勢の悪化により、近年では、正社員としての就職を希望していながらも、やむを得ずにフリーターとしてパート・アルバイトなどの働き方を選択する人が多い。また、フリーターの人数の推移は、次のグラフのとおりである。これに関して、(1)及び(2)の問いに答えなさい。

※「平成17年版労働経済白書」より転記。なお、1982年から1997年までの数値と2002年から2004年までの数値とでは、フリーターの定義等が異なっていることから接続しない。

(1)フリーターが増加している要因として考えられるものを二つ挙げて説明しなさい。
(2)フリーターが増加している状況に対して、行政が採るべき施策としてはどのようなものが考えられるか。あなたが考える施策を二つ挙げて具体的に説明しなさい。

※資料は省略

【2005年】
次の文章を読み、犯罪防止のために繁華街や商店街に防犯カメラを設置することについて、賛成又は反対の立場を明らかにしてあなたの意見を述べなさい(その際、あなたの意見を採用した場合に生じると思われる問題点や対応策についても触れること)。

犯罪の予防や抑止に効果がある、として街頭に監視カメラを設置する動きが全国的に広がっている。東京都は、平成15年度から商店街が監視カメラを設置する場合には費用の一部を補助することにしており、浅草や上野の繁華街を有する台東区等からの申請が認可され、カメラが設置されている。また、警視庁は、14年2月に犯罪多発地域の新宿区歌舞伎町1、2丁目の600メートル四方に50台の監視カメラを設置した。その犯罪抑止効果としては、14年3月からの1年間でひったくりや置き引きなどの路上犯罪が前年比で13%減少した。警視庁は、その後も、渋谷区宇田川町及び豊島区西池袋1丁目にこの「街頭防犯カメラシステム」を導入している。監視カメラは24時間常時モニターで録画され、警視庁と所轄の警察署に伝送されるのが特徴だ。読売新聞が15年2月に実施した治安に関する全国世論調査によると、犯罪防止のため繁華街や商店街に防犯カメラを設置することについて88%が容認しており、監視カメラへの理解が深まっている。しかし、こうした監視カメラの設置について、その被写体となる本人の承諾もなくみだりに容貌や姿態を撮影されるおそれもあることから、「プライバシーの権利」ないしは「肖像権」の侵害を指摘する意見がある。

【2004年】
下の表は、働く目的について日本人約7,000名から回答があったアンケート調査(平成14年調査)の結果である。この表からどのような傾向が読みとれるか。読みとれる傾向をいくつか挙げよ。また、そのうち一つの傾向を任意に選び、そのような傾向となる要因として考えられるものを二つ挙げ、その二つの要因について説明せよ。

※資料は省略

【2003年】
近年、我が国で、証券会社が特定の顧客にだけ損失補填をしていたり、銀行が本来は融資審査を通してはいけない案件について自社系ノンバンクに融資させていたり、乳製品会社が品質管理基準を守らなかったり、食肉会社が外国産肉を国内産と偽りBSE対策である制度を悪用し国から買取り金を詐取したり、テーマパークが期限切れの食材を用いた弁当を販売していたり、といった事実が相次いで明らかになった。また、行政においても、いわゆるカラ出張や官製談合といった事実が明らかになっている。これらの「事件」については、組織内においてそれが法的・倫理的に誤ったものであることが十分認識されていたにもかかわらず、個人的な行為によってではなく、決定権を有する者を含めた組織的な行為によるものであったとの指摘がなされている。このように、組織において、「あってはならない決定」がなされることがあるということに関して、次の(1)及び(2)の両方の問いに答えなさい。

(1)組織において「あってはならない決定」が行われる原因について考察せよ。
(2)組織において「あってはならない決定」が行われることを防止するためには、組織の設計やシステムにどのような仕組みを設ければよいか考察せよ。

【2002年】
次の語をすべて使って、これからの社会と行政のかかわり方についてあなたの考えを述べなさい。なお、これらの語を使う順序は問わないが、それぞれの語を初めて使うときには、その語に下線を引くこと。

・規制緩和
・自己責任
・情報公開
・敗者復活

【2001年】
近年、我が国では、学校卒業後もなお、親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者が増加している。マスコミなどでは、このような未婚者は住居・家事など様々な面で親に寄生(パラサイト)する傾向があると指摘し、「パラサイト・シングル」と呼んでいる。なお、正確な統計はないが、ある学者によれば、国勢調査などから。親と同居している20~34歳の未婚男女の合計は約1,000万人にのぼると推定されている。そこで、次の二つの問いに答えなさい。

(1)いわゆるパラサイト・シングルが増加してきているのは、どのような要因があると考えられるか。社会的、経済的観点から述べなさい。
(2)いわゆるパラサイト・シングルの増加は、これからの我が国の社会、経済にどのような影響をもたらし、また、行政はこれにどのように対応していくべきと考えるか。あなたの意見を述べなさい。

【2000年】
ここ数年間のインターネットの爆発的な普及、電子メールの活用、携帯電話を始めとする携帯情報端末の普及等に見られるように、我が国は「大量生産・大量消費」を至上命題とする経済社会から、「情報の創造・流通」を基礎とする経済社会へ移行途上にあり、この新しい「高度情報通信社会」は、人間の知的生産活動の所産である情報・知識の自由な創造、流通、共有化を実現し、生活・文化、産業・経済、自然・環境を全体として調和し得る新たな社会経済システムであるする見方がある。(「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」平成10年11月9日高度情報通信社会推進本部)そして、我々は、このような高度情報通信社会を生きるために、いわゆる「情報リテラシー」(リテラシー:読み書き能力)を身に付ける必要があるといわれる。そこで、次の二つの問いに答えなさい。

(1)我々が「高度情報通信社会を生きるために身に付けておくべき能力と心構え」にどういうものがあるか、それを身に付けることで得られるメリット、それを身に付けないことによるデメリットについて例を挙げながら、述べなさい。
(2)行政機関も高度情報化社会の一員として、あるときは情報の送り手、また、あるときは情報の受け手の役割を果たすことになる。そこで、行政機関が国民との間で情報の送り手あるいは受け手として活動する際に、それぞれ留意すべき点を挙げ、あなたの考えを述べなさい。なお、行政機関には、社会全体の情報通信基盤の整備を行う役割もあるが、ここではその点は考えないものとする。

【1999年】
「人生50年」といわれた時代から現在では「人生80年」といわれる時代となった。一方で、こうした中、長い老後の生活に不安を持っている人も多い。企業退職者に対して行われた調査によると、心配事、不安として、健康問題のほか、「一人暮らしになること」、「孤独になること」、「生きがいがないこと」など精神面の問題を挙げる者が見られた。このような心配、不安に関連して、次の(1)及び(2)について答えなさい。

(1)将来における精神面での心配や不安に対応するため、青年期、壮年期を含めた時期の生き方、考え方など個人として行うべきこと、心がけることとしてどのようなことが考えられるか、あなたの意見をできるだけ具体的に述べなさい。
(2)老年期の人々の上記のような精神的な心配や不安に対応するため、将来に向けて行政あるいは社会システムをどのように改善していけばよいと考えるか、あなたの意見を述べなさい。

【1998年】
「総論賛成、各論反対」という言葉がある。これは、辞書によれば、「ある案などについて、趣旨には賛成するが、個々の具体的事柄には異議を唱えること」「ある企ての趣旨自体に反対はしないが、自分の利害が絡むような具体的問題になると異議を言い立てること」などと説明されている。このような現象は、たとえば、「ごみ処理場の建設には賛成するけれども、自分の家の近くに建てるのは困る」「環境保護のために規制を厳しくすべきだが、自らの生活や活動が不便になったり、制約されたりするのは困る」「行政改革を進めて経費を削減すべきだが、自分の受ける行政サービスの低下には反対する」といった形で現れる。

そこで、上に挙げた3つ事例のうちから1つ選び、具体的にその事例に即して、個別的な利害と全体の利益との調和の観点に留意しながら、解決に向けてどのような方策が考えられるか、あなたの意見を述べなさい。

【1997年】
平成4年と同7年に、総理府が全国の20歳以上の人に「それぞれの分野で男女の地位は平等になっていると思うか」と聞いたところ、以下のような調査結果が得られた。そこで、次の(1)および(2)に答えなさい。

(1)この調査結果からどのようなことが読み取れるか、簡単に述べなさい。
(2)(1)で挙げた点を踏まえ、男女の地位の平等に向けて、行政はどのように対応するのがよいか、あなたの考えを述べなさい。

※資料は省略

組織概要
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