公務員試験の論文(女性の活躍推進)における模範解答例(合格者答案)を公開しています。
論文試験を効率よく対策するためには、論文試験を「暗記科目」と捉えて「予想されるテーマの模範解答を可能な限り沢山記憶すること」が求められます。
各種公務員試験の受験生はこの記事を是非参考にしてください。
なお、県庁・市役所・国家公務員における頻出テーマは下記の記事にまとめています。
受験予定の人はこちらも読んでみましょう。
論文模範解答例(合格者答案)
近年日本では、少子高齢化を背景に労働人口の減少が進み、女性の積極的な社会進出が求められている。男女共同参画社会基本法の理念に基づき、全ての人々が個性を活かし、生き生きと社会生活を送れるようにしていかなくてはならない。男性は外で働き女性は家庭に入るという、旧来の価値観を払拭していくことも重要な課題であろう。
しかしながら、女性の活躍が進んでいるとは言い難いのが現状である。女性が安心して社会で働き、男女関係なく能力を発揮できるようにすることは、豊かな経済活動の発展につながり、結果として少子高齢化に歯止めをかけることにもつながると考える。
そこで、女性の活躍を推進するために、行政は以下に述べる対策を行うべきである。
まず、男性の育児休暇取得率の引き上げと、子育て期間の延長である。
現在の日本では、女性に出産や子育ての負担が偏り、仕事をやめざるを得ない状況やパート採用になる状況を強いられやすい。女性がせっかくキャリアアップを目指していても、出産や子育てのタイミングでそれを諦める必要に迫られてしまうのだ。この状況を改善するため、男性が育児休暇を1年単位で取得できるように取得率向上に取り組んでいきたい。具体的には、数値目標を行政が示し、達成した企業への給付金や優良企業賞の授与に取り組む。男性の育児休暇取得が進めば、女性が仕事の継続を検討しやすくなったり、保育園のお迎えなどの負担が分散したりできる。
また、現在の日本では「子育て期間」は未就学年齢である6歳までを意味し、子育てに関する制度もその年齢までが限度であることが多い。しかし、小学校の方が保育園よりも登校時間が遅く、また下校時間が早いため、保護者が朝8時ごろまで家にいたり、夕方には家に帰らざるをえない状況がある。いわゆる小1ギャップと言われるこの状況に対応するため、子供が小学校に上がるタイミングで保護者の勤務形態を変える必要に迫られてしまうのだ。この状況を打破するため、「子育て期間」を小学校3、4年生までとして、企業の時短勤務申請も長期的にできるようにする必要があると考える。
さらに、ひとり親家庭の支援も女性活躍の推進に繋がると考えられる。日本では、離婚後の親権は多くが母親が持ち、母親が働きながら子育てをする状況が多い。その場合、母親のキャリアアップはしづらく、所得向上もしにくくなっている。保育園併設企業の推進や、放課後児童クラブの拡大などにより、ひとり親家庭の子育て支援をしていく必要がある。
このように子育て支援をすることは、女性が子育てをしながらでも社会で働きやすい環境をつくることにつながり、女性の活躍を推進することができる。ただ、このような取組によって、子を持たない女性たちに心理的なストレスや業務上の負担を強いてしまうことは避けなければならない。育休取得によって会社の他の社員への負担が増えるのが当然になってしまうと、お互いに働きやすい環境とは言えないだろう。子育て支援に取り組む企業への給付金を、負担が増える社員への給料アップにつなげる制度の検討なども必要である。
私は行政職員として、これらの対策に全力で取り組む所存である。